書籍紹介



主な論文

裁判員制度に関する主な書籍(2)

(2004年以降のものを中心に)


「裁判員制度と国民の司法参加」 鯰越溢弘編著 現代人文社 2004.9

国民の司法参加を実現した「政府の関係各位」「司法制度改革審議会委員」などの努力に「敬意を表し」、今回は政府にたてつかなかった日弁連には「目 をみはるものがあった」と賞賛する陪審論者。この人の陪審論には権力に刃向かう思想というのはまるっきりないらしい。陪審への一里塚であることを願って読 者の叱正を期待するとさ。そりゃ叱正の声だらけだろうよ。


「自由主義者の遺言」安念潤司著(「憲法論集」所収) 創文社 2004.9

憲法学の泰斗樋口陽一先生の古希記念の論集に収められている。「司法制度改革という名の反自由主義」というサブタイトルで、裁判員制度は官僚統制を 劇的に強化し自由を窒息させるだけの制度だと言う。被告人に辞退権を認めず、国民に拒否権を認めない裁判員制度は到底許されないとし、拒否権を認めなくて も苦役禁止の憲法18条に違反しないなんて言ってると次には徴兵制合憲論に進むぞと警告し、この制度の提唱者・賛同者はそのあたりを覚悟してものを言って いるのかと強い言葉で推進派を批判する。


「実務家のための裁判員法入門」 後藤昭ほか著 現代人文社 2004.12

「一般の人々と法律家がともに裁判員制度を導入して良かったと思うようにしたい」って。八方ふさがりだっていうのによくそんなこと言えるなぁ、何を どうすればそうなるのさ。なりっこないことをなるかも知れないように言うのは、やっぱりいけないことだと思うんだけど。


「もしも裁判員に選ばれたら 裁判員ハンドブック」四宮啓ほか著 花伝社 2005.1

「これまで国民は、公務員である裁判官が決める『正義』の受け手に過ぎませんでした。しかし、これからは、国民自身が正義の発信人になるのです」。 冗談でしょう。私たちの多くの先達が、権力の人権無視や人権侵害と闘い、「公務員である裁判官から」成果を勝ち取ってきたことをすっかり忘れ、その一方で 「公務員である裁判官」が今後も評議の席の真ん中にどっかと座ったままだってことも平気で無視する人たちさ。いい気なもんよ。著者は政府推進本部の委員 (弁護士)ほか。


「解説裁判員法 立法の経緯と課題」 池田修著 弘文堂 2005.5

著者は政府推進本部の委員(裁判官)。「裁判員制度は、裁判官と裁判員の合議によって事実を認定し、有罪の場合には刑まで決めるという参審型制度 で、この制度を陪審型の制度へ移行する前段階ととらえるようなことはできない」。裁判員制度は陪審への一里塚だと言い張るみなさん、ここまで言われてさぁ どうするのさ。


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