裁判員制度に関する主な書籍(1)
(2004年以降のものを中心に)
「我が国で行われた陪審裁判」 最高裁判所事務総局刑事局監修 司法協会 1995.9
わが陪審制の姿を各時期の生のデータや論説を集めて分析した記録。陪審法以前の陪審論の模様から始まり、陪審法が成立した時の論議や制度の具体的な 内容、そして運用の実態などにも切り込んでいる。陪審法の問題点や不振の原因、停止の理由にも触れ、陪審制の全体をかなり詳しく解説している。当局刊行の 概説書だが、この国の陪審制をつかもうと思ったら、とりあえず目を通す必要がある資料だね。
「陪審手引」大日本陪審協会 昭和6年8月 現代人文社(復刻版) 1999.10
[陪審の意味]の項には、「陪審員として、畏(かしこ)くも天皇の御名に於て行はれる、神聖の裁判に列し、恁(か)うした重大の任務を果たすこと は、丁度国民として兵役に就くのが、大なる名誉であり義務であると同様な次第であります」とある。当世風に言えば「裁判員ハンドブック」。裁判員制度も結 局「兵役級の義務」ってことか。
「刑事司法への市民参加」 高窪貞人教授古稀祝賀記念論文集編集委員会編 現代人文社 2004.5
裁判員制度の可能性と課題、国民生活上の負担、報道の在り方など、陪審制に造詣の深い研究者たちの論文集。だが、政府の司法制度改革審議会に対する 批判は何とも希薄。陪審論者なら裁判員制度に対する批判や懸念がもっとあってもいいんじゃないかなぁ。
「裁判員制度の批判的考察」 小田中聰樹著(「構造改革批判と法の視点」所収) 花伝社 2004.6
裁判員制度は民主、独立、公正の憲法的原則に反する。諸悪の根元は「統治主体意識」の注入という権力的発想にある。裁判員制度は、人権侵害的で冤罪 を作り出す危険を強くはらんでいる。加えて、裁判批判や裁判報道を排除したり抑圧したりする装置を内蔵してもいる。裁判員制度は、国民が司法に参加する基 盤を実はむしろ反対に弱めてしまうのだと説く。安易で楽観的な見通しを言う人々よ、胸に手を当てて考えよ。
「裁判員制度」 丸田隆著 平凡社新書 2004.7
どうして陪審制じゃなく裁判員制度なんかにしちゃったんだと怒ったり、書く気がしなくなったなんて嘆いてみせながら、裁判員制度を一生懸命宣伝し、 みんな進んで裁判員になろうと呼びかけるヘンな本。「まじめで無遅刻で責任感がある人」が裁判員に期待される資質なんだって。さてアナタはどうかな。