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何が問題

 「裁判員制度」とは、殺人、放火など重大犯罪の刑事裁判に市民を参加させ、裁判官と一緒に、有罪か無罪か、有罪の 場合はどんな刑罰(死刑や無期懲役も)を科すのか決めさせる制度です。 2009年5月21日の施行から2年、実施前から指摘されていた問題が現実のものとなっています。

「国民の義務」でも「市民の司法参加」の制度でもない

 裁判員制度は、「国民の義務」だと勘違いしている人がいまが、憲法で定められた国民の義務は「勤労」と「納税」と「教育を受けさせること」だけです。
 国民の義務ならば国民には平等に課せられなければなりませんが、国会議員、国務大臣、国の行政機関の幹部職員、法務省の職員、都道府県知事及び市町村長など公権力を持つ人々と司法関係者(裁判官,検察官,弁護士など)、大学の法律学の教授・准教授など法律の知識を持つ人々が除外されています。公権力を持つ人々は裁判員にならずに済み、法律の知識を持つ人々は除外するということです。
 また、裁判員制度を「市民の司法参加の制度だ」と主張する人もいますが、それも間違いです。
 裁判所の呼び出しに理由なく応じなければ過料(行政刑・罰金のようなもの)を科すと言っています。罰則付きで呼び出すのは「動員」です。これを参加と呼ぶなら徴兵制は「市民の軍事参加」になります。
 これまで欠席して罰金を科せられた人はいません。多くの人が拒否を呼び出しを拒んでいる中で、最高裁はだれ1人処罰することができないのです。

PTSDになっても補償はない

 裁判員経験者の中には、夜眠れなくなったり、車の運転ができなくなったりして失職した人も出てきています。「今でも裁判の夢を見る」とか「同様の事件報道を聞くと胸が苦しくなる」と訴える人もいます。
 最高裁は、24時間、5回まで無料で電話相談に応じると言っていますが、PTSDは5回の相談で治るようなものではありません。電話をかけた人の中には「苦しさをいろいろ訴えたが、『私は医者ではないので。必要があれば医者を紹介しますが、どうされますか』と言われて、2度と電話をかけなかった」と訴える方もいます。さらには「電話をかける気力もない」と訴えてきた人もいます。
 失職しても、商売に影響が出ても何の補償もされないのが現実です。

裁判に市民の常識を反映させる?

 えん罪事件などが多く発生したこともあり、「市民の常識や感覚を裁判に反映させるのは良いことだ」と思っている人がいます。
 しかし、裁判員制度は、「これまでの裁判が正統に行われてきた」と主張する人たちが導入し推進している制度で、「国民は裁判官の隣に座ってそのことを勉強し、司法を信用しなさい」といっているのです。そこにはえん罪事件などに対する反省は少しもありません。
 しかも裁判官、検察官、弁護人の3者による公判前整理手続きによって裁判の方針はあらかじめ決められてしまいます。裁判員は裁判官の判決にお墨付きを与えるだけの存在です。
   実際、裁判員経験者の中からは「目に見えないレールが敷かれていた」「裁判長の誘導があった」「僕らがここに座っている理由がわからない」という声も出ています。
 刑事裁判は、本来、その人の犯した罪と犯罪に至った背景を慎重に検討し、法に照らして罰則を決めるものです。常識や感覚で裁くのはリンチ、まともな裁判ではありません。

公判前整理手続きで証拠がだされるようになった?

 以前より開示される証拠の範囲が広がったという報道もありますが、ウソです。検察側が証拠を掌握し、何を開示するかは検事の胸ひとつという構造は基本的に変わっていません。公判前整理手続で被告人の防御方法が身動きできないほど固められ、結局、被告人の防御権が制約されることこそ、最大・最悪の問題点です。

凶悪犯罪が増えている?

 「凶悪犯罪が増えているので市民の手で治安を守る必要がある」と言う人がいます。
 実際は、凶悪犯罪、未成年者による犯罪(少年犯罪)はもちろん、犯罪件数自体が毎年減少しているのです。誇大報道やデマ宣伝などによって増えていると錯覚させられているのです。
 一昨年10件の犯罪が起きた、報道されたのが2件だったとします。昨年8件の犯罪が起きて報道されたのが4件、今年は6件の犯罪で6件が報道されれば、実際の犯罪件数は減少しているのに治安は年々悪化しているように感じるでしょう。重罪犯罪も少年犯罪もピークは1950年~60年代でした。
 「治安強化」は、管理体制強化の別名です。私たち自身をむりやり治安維持と処罰の主体にさせようとするところに裁判員制度の狙いがあります。

裁判員裁判で弁護人が刑を論じる

 裁判員裁判では、弁護人が裁判員にわかってもらおうと「懲役○年が妥当」など踏み込んだ発言をする例が多く見られます。
 しかし、刑事弁護人とはそもそも「世界中が敵になっても被告人を防御してくれる人」のはずです。弁護士が「お前は何年刑務所へ行け」などというのはおかしいのです。無罪を争う事件も情状を訴える事件も、刑事弁護とは国家権力との闘いです。弁護士が対案を出して和解を求めたらお終いです。
裁判員制度を推進している検察や最高裁は、弁護士の職業倫理に忠実な弁護士を潰そうとしています。悪い奴は叩きのめせと煽る背景にあるものを見極める必要があります。

放っておいても潰れる?

 何度アンケートをとっても、8割を超える国民はこの制度にそっぽを向いている。でも、最高裁・検察庁・日弁連、そして大手マスコミは、必死の推進キャンペーンを行っています。
 どんな悪法=制度も自然には潰れません。治安維持法も敗戦によって当然には廃止されませんでした。裁判員制度は私たち民衆が潰してこそ時代を切り開く突破口になります。「現代の赤紙」による国民の強制動員を、私たちの運動と力で叩きつぶし、とどめを刺す。その行動はこの国のこれからを根本のところで正しい方向に向けさせる原動力になります。

「現代の赤紙」と呼ばれている裁判員制度は、市民に定着するどころか、2011年1~2月、最高裁が行ったアンケート調査でも84%が「やりたくない」と言っています。それなのに、最高裁は制度をやめさせるどころか、3月11日の震災と津波、それに続く原発事故で未曾有の被害を受けた被災地にまで裁判を強要して、なにがなんでも続けようとしています。
 裁判員制度は、市民参加のよい裁判などではなく、「お上目線」で「治安第一」の国民育成が目的です。多数決で有罪・無罪を決めるということは「疑わしきは罰せず」の刑事裁判原則を崩すものです。

こんな制度 は、私たち市民にとって大きな迷惑です!



このリーフレットは制度実施前に制度の問題点を指摘した内容を紹介しています。

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